本書は1939年、今からおよそ85年前に書かれたミステリー小説ですが、古びた印象はまったくなく、現代の読者も物語に引き込まれます。舞台は孤島に足止めされた10人。彼らの周りで、タイトルの通り、1人、また1人と姿を消していく不気味さが漂います。誰が次に消えるのか、そして最後に何が起こるのか、予測不能な展開にページをめくる手が止まらなくなります。
本書に登場する10人は、職業や生活環境、性別、性格がそれぞれ異なり、個性豊かな人物ばかりです。この小説の素晴らしさは、ミステリーの定番である最後に明かされるトリックだけでなく、限られたページ数の中で各キャラクターを生き生きと描いている点にあります。また、グロテスクな描写や性的な描写が抑えられている点も特徴的です。こうした要素が、本書の人気を支える理由のひとつではないかと思います。



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