森鴎外が書いた15の作品が収められた作品集。各作品は同一人物が書いたものなのかと思うほど幅広い内容となっています。日常を描いたもの、夫婦(家族)関係を描いたもの、盗人、性についてなど非常にバラエティ豊かです。初期に書かれた作品は文体が古いため読み辛さもありますが、幅広いジャンルの作品が楽しめます。
森鴎外の作品の幅広さを感じるのが、本作品に収められている「大発見」「金貨」という作品。これはくだらないことの面白さ、人間のもつ哀れさや滑稽さを表したものである。特に「大発見」はヨーロッパの白人は鼻糞をほじるかのという点について大真面目に書いている。そして、「金貨」には人間の不完全さや尊さの両輪を感じさせる点がある。
そして、ヰタ・セクスアリス内にある「僕はどんな芸術品でも、自己弁護でないものは無いように思う。それは人生が自己弁護であるからである。あらゆる生物の生活が自己弁護であるからである。文章の自己弁護であるのも、同じ道理である」という一文は鴎外の哲学を垣間見ることができた。


コメント