著者のトマス・ホッブズはイングランドの哲学者です。ホッブズは本書で全ての人間は平等な自然状態を有し、「万人の万人に対する闘争」を克服するため、社会的な契約を結び、国家に主権を委譲していると考えました。「リヴァイアサン」は旧約聖書に登場する海に生息する巨大な怪獣の名で、個人の自由を守るためには強力な国家が必要であると考えました。これは、絶対王政の理論的な支柱になります。
トマス・ホッブズは、人間の自然状態は戦争の状態であると述べています。世界を見渡すと、戦争をしている国が多々ありますが、戦争をしていない国は、自然状態を社会的制度で抑え込んでいると言えるかもしれません。現在、戦争をしていない国も、歴史を振り返ると争いを繰り返してきた過去があります。また、国同士の戦争だけでなく、周りを見渡すと会社での権力闘争や個人間の争いが絶えることはありません。そのようなことから、ホッブズの言説はより強固なものであると感じざるを得ません。我々人類は戦争状態と常に隣り合わせであり、そのような歴史を繰り返してきたことを念頭において社会全体を見ていく必要があります。
1.序説
・賢明さは書物を読むことによってではなく、人間を読むことから得られる。そして、本当に読むことを学ぶことができる格言は「汝自身を読め」というものにほかならない。それは、1人の人間の思考と情念とが他の人の思考と情念とに類似しているためである。全国民を支配すべき人は、人類一般を読まなければならない。
2.第一章 人間について
・感覚しうると呼ばれるそうした諸性質は、それを引き起こす対象の中に存在するが、我々の器官を多様な形で刺激する物質の運動に過ぎない。
・「想像」とは衰え行く感覚にほかならない。また、かつて感覚によってすべて一度にか、あるいは部分的に何回にもわたってか知覚されたものであり、限定されたものである。無限は大きさを想像できないことから、人は感覚の下にはないものを表す思考を持つことはできない。
・「好奇心」は人間以外のどんな生ける被造物にもないものであって、人間は他の動物から区別される。
・どんな性質のものであれ、人を多くの人々に愛されたり、恐れられたりさせるもの、あるいはそうした性質のものを何か持っているという評判は力である。
・人の価値は他者の必要性と評価に応じて決まるもの。
・「自然」は人間を身体と心の諸能力において平等に作った。差異は大きなものではない。
・人間の自然状態は各人の各人に対する戦争の状態である。人間は戦争状態としてのまったくの自然状態のうちにある。
・自然法の要約は「あなたたちが自分自身にしてほしくないと思うことは、他人に対してしてはならない」というもの。
・人格とは、舞台でも日常会話においても役者と同じであって、他の人格に扮するとは、彼自身あるいは他の人を演じること。
3.第二章 政治的共同体について
・人間の間では、その競争にもとづいて羨望や憎悪が最後には戦争が生じる。
・1つの人格において統一された群衆は「政治的共同体」と呼ばれる。(1人の人間=君主制か、1人以上の人間=民主制の合議体か)



コメント