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デカメロン(上) 著:ボッカッチョ

ヨーロッパでペストが大流行した時代背景を基にした本です。当時、ペストはフィレンツェ市の人口の3分の2を死亡させるほどの猛威を振るいました。そんな状況の中、物語は進行します。若い7人の淑女と3人の青年紳士が、1日に1人ずつ物語を語り、10日間で合計100話を語るという構成になっています。本書は別名「十日物語」とも呼ばれています。「デカ」は「10」、「メロン」はギリシャ語で「日」を意味します。

各話は愛欲、嫉妬、宗教などをテーマに展開され、一話完結の形式です。特に性愛に関する内容が多く、喜劇や悲劇など様々な側面の話が登場します。人物名など馴染みのない固有名詞が多数出てくるため、日本文学に比べると読み進めるのに時間がかかる印象です。その中でも、性にまつわる話は現代では不適切と思われるシーンもありますが、総じて現代でも楽しめる作品になっています。それは、人間の普遍的な欲望や苦悩を捉えて描かれているからでしょう。

以下にストーリーの一部と印象に残った内容を紹介します。

1.第1日 まえがき
・死神に襲われてしまう可能性がある中で、今日はここ、明日はあすこと、このご時世の許す範囲で楽しく朗らかに時を過ごそうと淑女の1人が提案する。
・淑女の1人が持っている田舎の別荘でゆったりと休息を行う方針に決まる。さらに、その別荘で過ごす日中の暑い間には物語を話して過ごすことになった。

2.第1日 第1話
・神の大いなる善意は、私たちの過ちには目をつむり、もっぱら信心の清らかさにお目をおとめになる(注視する、注目する)。

3.第1日 第2話
・ユダヤ人であるアブラハムは、キリスト教における坊様たちの人間性の中にある悪を見て、キリスト教の聖霊は他のいかなる宗教よりも真実であって、聖なる信仰の基礎となり、また支えとなっていると判断し、キリスト教に改宗する。

4.第2日 第10話
・判事をしている体力よりも知力に恵まれた男が妻を持ったが、自身に活力がないことを知り、自分の力量を知った。そこで妻との交わりを慎むようになった。家を出た妻から「あなた様は法律の勉強の方が妻よりもお好きでした。それなら妻を娶らなければよろしかった。」と言われて他の男の元に行ってしまう。

5.第3日 第2話
・ある馬丁(馬の世話をすることを仕事とする人)が王の妻と寝てしまう。王はこれに気付くも、外聞晒しをおそれたため、目印をつけるため、馬丁の長髪を削ぎ落した。すると、その男はなぜこのようなことをされたかについて理解し、その長屋で寝ていた皆の髪を同じように削ぎ落した。王は内心舌を巻いて、その馬丁は才智が高い男と認識する。そして、吟味詮索をすることはせず、自分は分かっているということを示しつつ説諭をしようと全員に向かって次の忠告で済ます。「してしまった者は二度としないように。神のご加護あれ。解散。」

6.第3日 第6話
・他の妻を愛してしまった男が、その妻が嫉妬深いことを利用し、罠にはめて男がその妻に交わりをもつように仕組む。妻が気付いてしまった時には、この男がこの行為を他の方に知られた場合の不安を煽る。夫よりも恋人との行為に心地よさも感じてしまっていた妻は、その交わりを持つ関係を持ち続けることとなる。

7.第3日 第7話
・坊さんは自分の欠点を晒している。大勢の坊さんが女に寄り添い、恋し、足しげく通うのを見た。相手は世間の女だけでなく、僧院の尼さえもいた。ところが、そうした連中に限って教会の壇上から雷のごとき声を張り上げて説教をする。

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デカメロン 上
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