本書では、ストレスと上手な付き合いができる人を「ストレスフリー」な人と定義し、そのような状態になるための手法等が惜しみなく書かれた内容となっています。著者によると、適度なストレスは脳の活動を促進し、集中力を高め、記憶力を向上させる効果があるとされています。したがって、ストレス自体が必ずしも悪ではないとされています。ただし、ストレスが過剰に蓄積すると、体調不良やうつ病などのメンタルヘルスの問題を引き起こすリスクがあるため、以下の状態を保つことが望ましいと著者は述べています。
・寝ているときにストレスがない
・次の日にストレスや疲れが持ち越されていない
この本は、ストレスとの効果的な向き合い方だけでなく、より良い人生を送るための方法も探求しています。科学的な事実を基にしつつ、具体的な行動指針も提供されており、理論だけでなく実践にも重点を置いた内容となっています。内容は様々なジャンルにわたりますが、「睡眠」、「運動」、「朝散歩」というキーワードが特に印象に残ります。これらのシンプルな活動がストレスフリーな状態をもたらすことができるのかという疑問が生じるかもしれませんが、本書を読み進めることで、その重要性が明らかになるでしょう。
以下に本書のポイントとなる事項をまとめました。
①すべてのベースとなる「解決法」ストレスフリーの基本
ストレスの根源である「不安」を解消するには、「行動する」ことが必要。不安は放置するほど強まる特性を持っている。この「不安」の源となるノルアドレナリンは、「行動するためのエネルギー」としての役割を果たし、まるで「ガソリン」のように働きます。このエネルギーが苦しみから私たちを解放する力を持っていることを理解することが重要。悩みの対処法が分かったらとにかくそれをやってみる。最低でも1~2週間は続けること。「やっている」「動いている」「行動している」など脳科学的には何かをしていることが重要である。「悩み」をすべて「ToDo」に置き換える習慣を身に付けたい。
②他人ではなく「自分」を変える
脳科学の研究により、言語情報(大脳からの入力)が「偏桃体」の興奮を抑制することが分かっている。つまり、じっくり考えることで「好き嫌い」のレッテル貼りを修正することが可能である。そのため、人を判断する場合は「好き」か「普通」で判断していきたい。逆に悪口はアウトプットであるため、繰り返すと記憶を強化してしまう。本音は親しい人だけに伝えるようにし、「対人関係の三重円」という考え方を参考にする。この三重円は、円の一番内側に家族や恋人、親友などが入り、その一つ外側は友人や親戚が入る。そのさらに外側にようやく職業上の人間関係が入る構造。よって、職業上の人間関係では本音を話す必要はなく、仕事を頑張り、社内で一目置かれる存在になる方が重要である。
メッセージを伝える際は以下2つの考え方を意識する。人を動かしたい場合は、YouメッセージをやめてIメッセージを伝えるようにする。
・Iメッセージ ・・・自分の願望、希望を相手に伝える
・Youメッセージ ・・・あなたは~をしなさいという構造
③「仲間」と「家族」が活力となる
社会人になって新しい人と知り合う機会を解決する1つの方法とてして、「コミュニティ」への所属がある。最も良いのは自らがコミュニティの主宰となりコミュニティを運営することである。
④「天職」を求め、「やらされ仕事」から抜け出す
「職場での人間関係」に関する調査で84%の人が問題を抱えている。「職場の人間関係はよくない」がスタンダードである。「仕事が楽しくない」のは当たり前であり、20代に限定すると77.7%が「辞めたい」と思ったことがあるという。全ての年齢層の調査でも仕事が「楽しくない」「好きではない」という人は半数以上を占める。どんな職業でも仕事を一通り覚えるまでの期間は修行期間と考えておく。仕事や勉強の集中力を高めたい時は「今から仕事を始めるぞ」と声に出して宣言する。これは「認知的不協和」を応用したテクニックであり、認知の矛盾を解決する特性を生かす。言ったことを取り消すのは難しいため、必然的に仕事をスタートせざるを得ない。仕事を覚えられない理由は聞き方が関係する。人間は人の話を聞いているようでほとんど聞いていない。本物のインプットは脳の中に情報が入って(INする)、情報が置かれる(PUTする)ことである。お金持ちになる方法は「起業」と「投資」の2つ。収入を増やすステップとして「副業→個人事業主→会社設立」で進めるとリスクを減らすことができる。最も確実でリターンの大きい投資は「自己投資」である。
⑤「疲れない体」を手に入れる
「やせ」は健康ではない。医学的には「体脂肪=免疫力」と考えられている。「鉄は熱いうちに打て」というのはうつ病の治療にもそのまま当てはまる。病気が発症しているのに治療をしないで放置するとそれが「当たり前」の状態となってしまい、「症状固定」の状況になってしまう。メンタル疾患において「100%治す」というのは難しいため、病気を受け入れることが大切。「病気の原因をはらんだ自分」に戻っても病気を繰り返してしまうだけである。真剣に取り組むべきは以下の生活療法。
・1日7時間の睡眠
・週150分の運動
・朝散歩
・禁酒、禁煙
認知症については、発症の25年前から始まるため、予防が重要である。原因は「アミロイドベータ蛋白」の蓄積。予防は40代より前からスタートすべきである。そして、予備軍(MCI:軽度認知障害)の状況で改善していくことが重要。万が一、「自殺衝動」が出た際には、それは脳科学的には「セロトニン濃度の低下」と言い換えることができる。脳内物質の低下が導いた「脳のエラー」であると理解する。


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