ヘミングウェイ自身が体験した第一次世界大戦の北イタリア戦線を基にした物語です。負傷兵運搬の任務に志願したアメリカの青年フレデリック・ヘンリーは看護婦のキャサリン・バークリと出会い、2人は戦火の中で愛を深め、密かに結婚します。やがてヘンリーはバークリが子供を授かったことを知りますが、前線に戻ることが決まり、彼女と離れなければならなくなります。この上巻は、ヘンリーが前線に出発する場面で終わります。
本書で最も感銘を受けたのは、戦場での攻防を描いた部分です。読んでいるだけで迫力が伝わり、戦争を実際に経験した作者だからこそ表現できたのだと感じました。その一方で、戦場の激しさとは対照的に、仲間と冗談を言い合ったり、娯楽に興じたりする穏やかな日常の描写も多くあります。ヘンリーとバークリの言葉の掛け合いは、最初はお互いを探り合うような微妙なやり取りが多いものの、物語が進むにつれて、次第にストレートな愛情表現へと変わっていきます。この上巻では、ヘンリーが負傷する場面もありますが、全体としては順調に物語が進んでいる印象です。そして、ヘンリーが前線に戻ることが決まる場面で上巻が終わり、下巻にはさらに波乱が待ち受けていそうな予感を抱かせます。
1.バークリとの出会い
・ヘンリーの友人リナルディと、当初はリナルディが夢中になっていたバークリと出会う。そこで、バークリはかつて婚約者がいて、その婚約者を戦争でなくしたことを聞く。
2.バークリと関係を深めていく
・ヘンリーは次第にバークリと打ち解け、頻繁に会うようになっていく。ある時、ヘンリーはバークリに愛の言葉をささやくが、それが本心でないことがバークリに見抜かれてしまう。それでも、バークリはこの関係を続けることを選んでいく。
3.オーストリア軍との攻防
・ある日、オーストリア軍へ攻勢をかけることが決まり、ヘンリーは他の兵士と共に参加する。そこでは、戦争に嫌気がさしている同僚たちの本心を聞くことになる。そして、その攻勢により敵から反撃を喰らい、ヘンリーは負傷してしまう。
4.病院での生活
・負傷したヘンリーは野戦病院で入院生活をおくることになる。そこには、親しい友人であるリナルディや神父が見舞いに訪れる。神父との会話の中で、神父はヘンリーに「傷を負ったというのに、それでもこの戦争が見えていない」と語りかける。さらに神父は、この戦争は一部の人々の都合で行われており、戦争を望む者たちが、望まない者たちに無理やり戦わせていると現実を指摘します。
5.バークリとの再会
・入院していた野戦病院にバークリが看護婦としてやってくる。ヘンリーはバークリと恋愛関係になることを望んでいなかったが夢中になっていた。
6.バークリの妊娠、前線への出発
・ヘンリーとバークリは2人の間だけでこっそり結婚をする。その後、ヘンリーが病院を出ることになったタイミングでバークリから妊娠したことを告げられる。そして、ヘンリーは前線にいくことが決まり、バークリを残して出発をする。



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