イギリスのある村の地主であるロジャー・アクロイドが殺害される。その犯人を探偵ポアロが突き止めるアガサ・クリスティーの名探偵ポアロシリーズの一つです。※以下ネタバレを含みます
本書は冒頭から違和感のある始まりとなっている。それは、本物語の語り手が登場人物の1人であるシェパード医師の視点(一人称視点)で描かれている点である。そして終盤には、本書の大半がこのシェパード医師の手記であったことが明かされる。
つまり、本書で語られるアクロイドが殺害された様子や、それにまつわる様々な出来事が、シェパード医師の視点で描かれているということである。それは何を意味するか。シェパード医師の不都合な真実が描かれていないということである。これが本書の最大のトリックと言える。
ただ、このトリックの異変気付くことができるような要素も一部存在している。そのような遊び心も本書の魅力の一つである。
真実を突き止めるためにポアロがあらゆる可能性をかんがみ奮闘する様子と、その傍でその様子を冷静に手記へ落とし込むシェパード医師の異常さ、犯罪心理の怖さを感じることができる一冊となっている。


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