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登山の運動生理学とトレーニング学 著:山本正嘉

鹿屋体育大学名誉教授で運動生理学とトレーニング学を専門とされている著者が書いた本です。

本書は登山好きの人が登山好きの人のために書いたガイドブックであると言えます。登山から山に関わるスポーツまで非常に幅広い内容が網羅されており、科学的な分析や考察も交えてあります。驚くべきは著者の実体験が要所に書かれていることです。また、随所に出てくる写真には著者本人が撮影されたものが数多くあり、内容に関する説得力を持たせております。頁数713頁とかなりのボリュームとなっておりますが、長年に渡る研究成果が凝縮されており、内容に無駄がないことが分かります。

1.登山と健康
・登山は身体的、精神的、社会的という3つの意味で健康によい効果をもたらす。
・ウォーキングに比べて心拍数も総じて高く、脚筋力を鍛える効果も高い。
・「登山はエアロビクスの最高峰」=運動強度が適度に高い×運動時間が非常に長い。
 ※エアロビクス・・・比較的筋肉への負荷が軽い有酸素運動

2.登山の疲労とその対策
・運動の強度を表す単位である「メッツ」では、ハイキングで6メッツでバスケットボールと同等。一般的な登山で7メッツでジョギングと同じ。トレイルランニングは9メッツとなる。
・下りでは筋疲労が起きやすい。大腿四頭筋を中心とした脚の筋に大きな負担がかかる。
・朝食を食べるのと、食べないのとでは運動能力が大幅に異なる。食べない場合、固定式自転車が2時間あまりで続けられなくなる。
・炭水化物を補給せずに運動を続けると、筋や内臓の蛋白質を分解して炭水化物に転換してしまう。(腎臓に負担がかかる)
・行動中の水分補給量(ml)を求める式。「5XY-10X」X=体重、Y=行動時間。
(行動中には脱水量の7~8割以上の水分を補給する)
・暑さのストレスはWBGTと呼ばれる温度で評価する。
・水は空気に比べて熱を奪う能力が25倍大きい。
・高山病の予防対策。
 ①急激な高度上昇を避ける
 ②激しい運動は避ける
 ③睡眠高度を下げる

3.登山のための体力トレーニング
・定期的な運動=トレーニングではない。
・登山を主、下界での運動を従のトレーニングと考える。
・運動が違えば、使う筋も違うことを理解する。
・登山者には筋力も心肺機能も重要だが、優先順位をつけるとすれば筋力の方がより重要。
・足首の捻挫対策は腓骨筋の強化(かかとあげ運動)。また、登山時には足首をしっかり覆える靴を履く。

4.登山における人間の可能性と限界
・トレイルランニング上位群のトレーニング状況は、山では月に2回の練習を行い、下界では週に約12時間の持久力トレーニングと3回の補助トレーニングが目安。
・パフォーマンスの制限要因の1位は筋疲労である。レース後、日常生活やトレーニングに支障がなくなるまで要した日数は平均4日程度。

本ページで紹介している書籍は以下で購入可能です

登山の運動生理学とトレーニング学 
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