本書は、東洋哲学を「とにかく楽になるための哲学」として紹介し、著者自身が体験したそのエッセンスを、非常にわかりやすく説明しています。無我や空、禅といった一見難しそうで敬遠されがちな考え方も、7人の哲学者の教えを通して丁寧に解き明かしてくれます。
著者は冒頭の自己紹介で、自身が32歳で無職、離婚、虚無感に苛まれた経験を赤裸々に語っています。そのような飾らない人柄が伝わる文体に、自然と引き込まれていきます。本書の目的は単なる知識の伝達ではなく、著者自身が虚無感に苦しんだときに東洋哲学を通じて救われた経験を通して、同じような悩みを抱える読者へのヒントを提供することにあるのではないかと感じました。私自身もこれまでにいくつか東洋哲学の本に触れる機会がありましたが、この本は新しいジャンルを切り開いているように思います。ユーモアがありながらも真摯で、自由に書かれているように見えても、核心はしっかりとしています。そんな印象を与えてくれる一冊です。
1.無我(ブッダの哲学)
・人生の苦しみの根本的な原因は「自分」である。
・すべてが変わっていくこの世界で変わらない「自分」をつくろうとする。
2.空(龍樹の哲学)
・この世界はディズニーランドみたいなもの。「家族」「会社」「国」すべてはフィクションである。
・「自分」とは、そもそも「からっぽ」だ。そして、「からっぽ」だからこそが最高。
3.道(タオ)(老子と荘子の哲学)
・「現実」も「夢」もおなじようなもの。
・からっぽだからこそ満たされる。
4.禅(達磨の哲学)
・禅の教えはただひとつ「言葉をすてろ」これだけ。
5.他力(親鸞の哲学)
・言葉をこえた境地にいくには、ただ「信じる」こと。
・ダメなやつほど救われる。
6.密教(空海の哲学)
・密教とは「秘密仏教」の略である。
・「なりきる」こそが「自分」をつくる。「自分」をこえたでっかい「自分」になる。それを「大我」と呼ぶ。



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