本書は40年以上にわたり、50万人以上の新人マネジャーを支えてきた素晴らしい教科書と紹介しています。また、本書を読めば必ずマネジメント能力を向上することができると謳っています。
本書の結びには、「人は、中年に差し掛かるにつれ、世の中への貢献の度合いで物事を考え始めるものである。」との記載があります。マネジャーという役割は、まさに、この一文にある貢献の度合いを広げていくものだと考えています。貢献の度合いを広げていくことは簡単ではないですが、本書の内容を参考に取り組んでいきましょう。
1.マネジャーになるまで
・マネジャーには「一流の個人プレーヤーとしてのスキル」とは別種の能力が要求される。それは「人を動かす力」である。
・個人的な感情を脇に置いて、事実に基づく意思決定ができなければならない。
・マネジャーの人事評価は、部署の業績、自身のチームがどれだけうまく機能しているかで決まる。昇進への影響は上長より部下の方が大きい。
・技術的なスキルは、人間力に比べれば、さして重要ではない。技術面で完璧でなくても人間力でやっていける。
・成功する秘訣として、積極的傾聴(アクティブ・リスニング)の能力があげられる。この能力はしっかり聞いているのが相手に伝わる聞き方のことであり、決して受け身ではない。
・上司のタイプ別の仕事の進め方があることを理解する。
- 情報理解の方法
- どの程度細かい情報を求めるか
- スピード感、緊急性のレベル
- 興味のある/ないテーマ
2.新しい仕事に取り組む
・マネジメントは指揮、統制。リーダーシップは人にやる気を出させる。という違いがある。
・業務の全部を理解する必要はない。チームに対する責任を負うのであって全て自分で手を動かしてやる必要はない。
・業務に課題のある部下に対しては建設的なトーンで話し、「改善すべき点」を特定する。
3.心を掴み、人を動かす
・社内で機密にすべき情報は、実はほとんどない。「人は事実に基づいて行動するのではなく、事実に対する認識に基づいて行動する。」
・人事部(HR)は、マネジャーとしてのキャリアを始める上で最大の味方にしておく。マネジメント業務全般についても、自身のキャリアについても有用なサポートが得られる。
4.人事評価を行う
・業績評価を行う際の基本方針7箇条
①目標を設定する。部下が何を達成すべきかを明確化すること。
②育成とコーチングを行う。目標達成に向けて部下をサポートすること。
③業務状況について適宜フィードバックを行う
④振り返り面談に向けて資料を準備しておく
⑤適切な時期に振り返り面談を行う
⑥振り返りの重要性を理解し、意義をきちんと部下に伝える。
⑦あくまで部下の業績に基づいて評価を行う。自身の思いを反映しないこと。
・振り返り面談は非常に重要。時間をしっかりとる。
5.成長し、さらに上を目指す
・EQ(心の知能指数)を高める。EQが高いマネジャーやリーダーは高い業績をあげている。
・EQで表される「自己や他者の感情が把握できる」「適切な感情表現ができる」「自分や周囲のモチベーションを上げられる」「ストレス耐性があり、緊迫した状況や混乱にも対応でき、同時に周囲の人の精神的なサポートもできる」といった能力は、優秀なマネジャー像に当てはまる要件である。
・マネジャーとしての判断に、傑出した叡智が求められる状況はほとんどない。むしろ必要なのはファクトを集める能力と、集めた情報から判断すべきタイミングを見極める能力。
・昇進したいのであれば準備はしておく。準備によって得られることはいくらでもあるが、失うものは何もない。
・マネジメントとは、自分が手を動かして業務を進めることではなく、人に業務を遂行させること。「替えの利かない人」にならない。
・タスクに優先順位をつけ、横槍が飛び込んできた場合は、着手する前に本当にやる必要があるのかを確認する。
・情報を広めるためには、クチコミの活用も方法の一つ。覚えておきたいのは、誰かひとりにでも話した時点で秘密はもはや秘密ではなくなる。
・人事関連業務だけは決して部下に任せてはならない。
・完璧など実際にはほぼあり得ない。完璧を求めることで、託されて業務を担当する部下は裁量を奪われてしまう。
・ユーモアセンスは重要だが、自分自身をネタにするか、何も傷つけない優しい笑いにしておく。他人をけなさず、自分の性格やちょっとした欠点を笑いにする自虐ネタが良い。


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