本書は、経営に欠かせない能力の一つである「ファイナンス」に焦点を当てた一冊です。単に「ファイナンス思考」を解説するだけでなく、それを妨げる要因として挙げられる「PL脳」にも言及しています。ファイナンス思考とは何か、そしてなぜ現代の経営においてそれが重要なのか――。実際の企業事例を交えながら、その本質をわかりやすく解き明かしていきます。
・「PL脳」という病・・・目先の売上や利益を最大化することを目的視。売上至上主義でキャッシュを回収する考えも希薄。
・「ファイナンス思考」・・・将来に稼ぐと期待できるお金の総額を最大化しようとする発想。(価値志向、長期志向、未来志向)。その会社が将来にわたってどれくらい多くのお金を稼ぎ出すことができるか。
・「利益は意見。キャッシュは事実」→利益は主観的な意図が混ざる余地がある
・「ゴーイング・コンサーン」→無期限に事業を続けることを前提
・会社の評価軸と評価ツール
事業の成果 →損益計算書(PL)
保有する経営資源→貸借対照表(BS)
会社の価値 →ファイナンス
・ファイナンスは全業務に紐づく→例:営業、研究開発は「資金の創出」
・Amazonの営業利益が低い→研究開発(R&D)はPL上はコストとして計。しかし、フリーキャッシュフロー(営業CF、投資CF)は高水準
・ダイエーは売上の拡大を追求。結果、利益率の低下、債務超過を招く
・子会社、関連会社株式の時間評価への洗い替え
取得原価で保有した株式を売却すると時価評価として換算。また、売却分ではない保有株式も時価評価となる。(PL上に利益として換算される)
・「勘定合って銭足らず」→黒字倒産が発生する(原料の仕入れや製品販売といった具体的にモノが動くタイミングと、お金が動くタイミングは異なる)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)・・・代金を回するまでの期間
→適切な期間に保つ取り組みが必要
1.支払サイトを長く
2.回収サイトを短く
3.在庫を減らす
・バークシャー・ハサウェイ(ウォーレン・バフェット)
→「経営は分権化、資本配分は集中管理」
・MBO(マネジメント、バイアウト)・・・資本市場からの短期的な業績プレッシャーを避ける(バイアウトファンドが資金を提供するケースも有り)
・「PL脳」は高度経済成長期に最適化した発想
- 人口増加(労働人口の増加)
- 消費の拡大
→景気拡大の主要因
・「経営」はひとつの職種(執行役員から取締役はジョブチェンジ)※昇進ではない
・銀行(貸し手)が貸出先の安全性重視する指標が最終損益(PL脳)


コメント