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ビジネスシーンを生き抜くための仏教思考

本書は不安定な社会の中で生きる指針になり得るものの一つが仏教であると述べています。仏教は苦しみに向き合うための知恵を授けたものであり、2500年の歴史のある「宗教」でもあるが、「思想」なんだと著書は説いています。

人間は思考するからこそ悩み苦しみ、またその悩み苦しみから解放するにも思考する必要があります。そして、その思考の手助けをするのがまさにこの「仏教」だと本書を読むと感じることができます。ただ、あくまで手助けをするだけであり、悩み苦しみに向き合って自身で乗り越えなければいけないという厳しさも持ち合わせている宗教ではないかとも感じさせられます。一方、仏教は絶対性を徹底的に排除する考えが根底にあり、非常に柔軟性があると同時に希望を持たせたものであります。この仏教思考のエッセンスを取り入れれば、より人生を生きやすくなる武器になるでしょう。

本書の構成とポイントは以下。

1.現代社会の事象を仏教の視点から読み解くと
2.論理でわかる仏教の思考体系
3.仏教の視点を比較する


1.現代社会の事象を仏教の視点から読み解くと
はじめから世界はVUCAであり、世の中はコントロールできないことのほうが多い。昨今、話題となっているポスト資本主義は長期的、全体的な利益を重視することであると言える。それは、仏教の「中観」、「唯識」の考え方を前提としたもの。この考えは、「私」は他社と関わらずに自分だけで存在することはできない。自分の利益のためには、自分以外のことも考えなければならないという考えにつながる。密教の曼荼羅の構造に通ずる。多拠点生活は定住しない仏教の考えと同じ。執着が苦しみを生むと考えるため、自分の拠点や持ち物を持たない考え方と同様。消費社会とマーケティングは欲望との向き合い方に関係する。欲望と関連のある喜びや悲しみは自分の認識の中にしか存在しない「唯心論」と紐づく。ブルシット・ジョブも同じで、その仕事をブルシットだと認識しているのは自身の心である。

2.論理でわかる仏教の思考体系
一切皆苦・・・現状認識を正しく行い、一切のものの中に苦の可能性が存在することを認めよ。ポジティブに生きるためには、その反対のネガティブを知らなくてはならない。
因果、縁起・・・万物は因果関係でしか成り立ち得ない。望む結果を得るためには、それに対応する行動をしなければならない。
・・・仏教で最重要のテーマ。「ないものがない」すべての可能性が存在している。”無”ではない。絶対性を否定するもの。
唯識・・・全てのものごとは自分の認識によってのみ成り立っている。全ては”空”。可能性としてのみ存在しており、認識されて確定する。
諸行無常・・・万物は常に変転してやむことがない。どんなに苦しいことがあってもそこに絶対性はない。抜け出す道はあると諭している救済の教え。仏教は絶対性を徹底的に否定している。
利他・・・私以外の全てのもの。起点は「私」になる。このようなことから「私」の幸せのための行為は他者の幸せにもなり、他者の幸せは「私」の幸せにもなる。”自己犠牲”は利他ではない。
悟り・・・自己コントロールによって因果関係を正しく認識し、「苦」の成就をいつどんな状況でも完全にシャットアウトし、「楽」を享受できる心の使い方。

3.仏教の視点を比較する
キリスト教は神による救済はあらかじめ定められている(予定説が影響)ことに対し、仏教はものごとに絶対性はないという希望の教えである。キリスト教が物語で語られていることに対し、仏教はロジカルな考えで教示。仏教の体系は身分階級制度のバラモン教が広まっている世の中で過ごした釈迦が広げた宗教であり、「尊い人は尊い行いをしたからだ」という考えが基にある。身分階級制度とは相反する教えとなっている。

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