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最高の脳で働く方法

本書は、人間の脳に関する最新の重要な発見を共有することによって、読者の仕事のパフォーマンスを変えていくと述べています。内容は、米国、欧州、アジア太平洋の主要な神経学者30人へのインタビューを中心に展開されており、近年実施された数千件に及ぶ脳研究と心理研究に基づく300件を超える研究論文から得られたデータを集めたものです。著者はビジネスコンサルタントとして、組織が従業員のパフォーマンスを改善するための支援を行っています。10年間この職に従事する中で、脳について従業員に教えることがその人のパフォーマンスに大きな違いをもたらし、その生活にもプラスの影響を与えるケースが多いことを発見しました。これが本書を執筆するきっかけになったようです。

本書の中の一節に、「知的活動の大半はコントロールできない力によって動かされ、無意識に行われている」と記されています。この本を読み進めるにつれて、この一節の通り、脳は無意識下で機械的な活動を多く行っているのだと感じることができます。脳が自身が意識的に活動していると思い込ませているのではないかとも考えられます。そうであるならば、脳の仕組みや無意識下で行われている活動を理解し、適切なインプットを行えば、自身が望むような活動を実現できるのではないかと思われます。本書は、そのようなプロセスを支援するものとなるでしょう。500ページ以上という大ボリュームですので、興味が湧いた箇所については深く読み進めるという心持ちで読むと良いでしょう。

本書の構成とポイントは以下です
1.問題と解決
2.プレッシャー下でも冷静を保つ
3.他者と協力する
4.変化を促す


1.問題と解決
ハーバード大卒の脳でさえ、1度に2つのことをやろうとすると、8歳児の脳のようになりかねない。これは脳の性能には限界があることを示している。また、意思決定や行動抑制といった活動のリソースは限られており、これを使い果たすと、次の行動に充てるリソースが不足する。これは、難しい判断を1つ行うと、次の判断はさらに難しくなることを示唆している。特に脳のエネルギーを最も消費するプロセスの1つである優先順位付けを優先して思考することは大切。

2つの作業を同時に行うことよりも、2つの意識的な知的作業を同時に行うことの方が困難。現代のオフィスワーカーは平均して11分ごとに集中力が途切れ、集中力が途切れた後に元の作業に完全に戻るまで平均25分かかるという研究結果がある。考える作業をしている間、すべての情報通信機器の電源を切ることが効果的だと言われている。これは、いかに集中するかではなく、いかに不適切なことに注意が向くのを抑えられるかが重要であることを示している。

また、ある脳部位が活性化した場合は、別の部位を活性化することで問題を解決できる場合があることや、疲労や空腹、不安を感じているときにミスが増え、不適切な衝動を抑えるのが難しくなることが分かっている。

2.プレッシャー下でも冷静を保つ
情動を適切に制御する能力は、仕事だけでなく人生を成功させる上で欠かせないもの。冷静さを保つための鍵となるのは「再評価」。情動反応は、世界に対する自分の評価から生じる。つまり、その評価を変えることで、情動反応も変わる。例えば、自分を責める時に、「そうだ、これは脳のせいだ」と自分の評価を変えることが可能。

3.他者と協力する
脳が生存に関わる問題と同等に扱う5つの社会的経験の領域がある。この要素を同時に高める方法が自分や他者のいずれかに見つかれば、気分が上向くだけでなく、パフォーマンスも向上させる強力な手段を手に入れることができる。
・Status    ステータス
・Certainty  確実性
・Autonomy  自律性
・Relatedness つながり
・Fairness   公平性


4.変化を促す
他者の思考を変えるのは世界で最も困難な課題の1つです。真の変化は今まで見たことがないものを目の当たりにしたときに起こるため、インサイトを得られるよう心を落ち着かせる手助けをすることが重要。
・安心できる環境をつくり出して脅威反応を最小限に抑える
・適切なつながりだけを新たにつくるために、相手が正しく注意を集中させる手助けをする
・新しい回路を維持するために目標を設定し、何度も繰り返し、その新しい回路に注意を戻すよう促す

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