本書でおすすめしていることは「視点を変える」ことであり、現代を生き抜くのに役立つのが「エイリアス」という概念です。これは、特定の場所にいる自分それぞれを、自分の名前をまとった分身として捉える考え方です。本書で紹介しているメタ思考を参考にすると、自分の中に余裕を生み出すことができます。余裕があれば、自分のことはもとより、ビジネスや人間関係の状態を客観的に捉えなおすことができ、問題の本質に気付いたり、課題に対して適切な行動をとれるようになります。
現代では、物理的に余裕を持たせることが難しくなってきていると考えます。本書は、そのような状況に置かれている現代人に向けて、考え方や方法で解決する思考を提供してくれます。
1.ルールに縛られない発想力
・仕事がうまくいっていないときは、たいていの場合、そのうまくいっていない自分と自分のアイデンティティを同一視している。
・「エイリアス」の概念をもてば、「複業」がしやすくなる。それぞれがエイリアスとなる・
2.思い込みから自由になる思考法
・思った通りの結果になっていないことを「予想と現実が違っていただけに過ぎないこと」だと考える。これは「解釈」が違うだけ。たいていの人が失敗と思うことを失敗ととらえていない。失敗を失敗とみなさないのは「意思」による。
・人が重要な選択や判断を間違えるのは、必ず余裕を失ったとき。ネガティブな状態のときだけでなく、自信過剰なときも実際には余裕がなくなっている状態である場合が多い。
・「外の世界を知る」ためにおすすめできる方法は、今、属している組織にとりあえず軸足を置きながら、いろいろな世界と積極的に関わっていくやり方。
3.課題を発見していく認知力
・仕事も生活も「楽しみの先延ばし」をしない。そのために自分の仕事は自分で定義し、自分の快感要素を仕事のプロセスの中につくっておく。
・顧客にその製品やサービスを使い続ける意味を与えてくれる魅力的なストーリーを語れるかどうか。例えば、フェラーリにとってもっとも重要なのは、「F1に出場し続けて優勝すること」つまり、「世界最速の車に乗る」というストーリーを最重要視している。
4.視野を広げる人間関係術
・自分のアンテナに引っかかったものに直感的に反応して行動に移す。
・「人の欠点はバカでも分かる」視力検査の「ランドルト環」では、欠けている部分はすぐに分かる。
・豊かな人間関係を築くためには、「他者をほめる」。ひとこと目で「いいですね!」と返すと瞬間的に相手のいいところを探しはじめる。
・「相手は自分の思い通りには動かない」自分がコントロールできる部分を探し、その行動に集中するのが良い。
5.ストレスをなくすシェア力
・自分の長所は自分で勝手に決めていい。「ものさし」でいくらでも得意なものはつくることができる。
・心が不安定なときは、仕事をあえて「ゲーム」として取り組む。「退路を断つ」「不退転の覚悟で取り組む」などは、かえって精神的に安定しない状態を生み出してしまうことがあるので、そこまで仕事で自分を追い詰めない方がいい。
・心に余裕がない状態になってきたら、最後のひと踏ん張りの力は「助けて」ということに使う。最後の力は、困難に抗うために使うのではなく、他者を頼るためのメッセージを出すのに使う。
・「自分と他者は違う」という事実に向き合えば、必然的に「己を知る」ことにつながる。「己を知る」ことの中でも大切なのは、「自分をご機嫌にする方法」を持っておく。
・自分の中にある種の「余裕」を持たせておくため、ときどき意識的に脳へのインプットをオフ状態にする。



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